人的資本経営
人材育成方針
当社及び当社の所属する業界を取り巻く事業環境については、かつてなく不確実性や不透明感が高まってきていると認識しています。
過去数年間における世界的なマクロ環境の変化を見ても、デジタル化の再加速に加え、パンデミックや地政学リスクの高まり等、企業経営を取り巻く環境が大きく変化しており、その変化への対応が強く求められております。
そのような中、当社として、そして当社の最大の経営資源である人材については、それらの不確実性への対応、それもスピード感を持った対応や順応が求められております。
すなわち、当社にとっては「変わりゆく事業環境を前提とし、その変化に柔軟に対応出来うる人材」の育成と確保が至上命題であり、そのために既存従業員の育成に加え、更なる経験、性別、国籍、年齢等のあらゆる面でのダイバーシティの推進を目指すものであります。
また、そのようなダイバーシティの推進や強化等を図る上でも、昨今多様化する「理想とする働き方」に対しても、より多くの選択肢を従業員に確保・提供することで、当社が掲げる従業員の成長と繁栄、そして従業員にとっての「理想を形に」の実現を図ってまいります。
そのような認識のもと、そして上記②に記載の5つの課題認識に立ち、当社グループの多様なバックグラウンドを持つ人材の価値を高め、そのパフォーマンスを最大限発揮いただけるよう多様なキャリアパスと個人の状況に合った成長・自己実現の支援等の人材活性化の取り組みにより、中長期的な成長や事業領域の拡大を支える高度専門人材の確保、及び次世代の経営を担う人材の育成につなげられるよう、当社取締役会の最重要ミッションとして人材育成に取り組んでまいります。
また、人材の多様性の確保という点では、現状、経営陣の女性比率及び女性管理職比率が低いと認識しており、人材育成面からも女性活躍推進につながる取り組みを強化してまいります。
具体的な制度・取り組み
当社及び当社グループにおける人材育成及び多様性の確保のための具体的な制度及び取り組みは、以下のとおりとなります。
なお、会社の規模、事業・業務の内容、人材育成上の課題認識等が異なることから、全ての会社で行われているものではありません。
主な制度・取り組み内容 | 目的 | 対象者 |
---|---|---|
次世代経営幹部研修・ ビジネススクールへの派遣 |
人材育成・ キャリア支援 |
経営幹部候補者(選抜) 高度専門人材 |
階層別研修 | 人材育成・ キャリア支援 |
新入社員、若手社員、中堅社員、管理職 |
定額制集合研修・オンライン研修制度 (能力開発・リスキリング) |
人材育成・ キャリア支援 |
全社員 |
グローバル人材育成のための語学研修 | 人材育成・ キャリア支援 |
選抜者(希望者を含む) |
DX人材育成のためのe-ラーニング | 人材育成・ キャリア支援 |
システム部門を中心とした選抜者 及び受講希望者 |
キャリア開発の状況を人事評価項目に設定 (報酬等の処遇に反映) |
人材育成・ キャリア支援 |
全社員 |
自己啓発支援制度 (資格取得奨励金、費用補助) |
人材育成・ キャリア支援 |
全社員 |
キャリアアンケートの実施 | 人材育成・ キャリア支援 |
全社員 |
ポストチャレンジ制度・社内インターンシップ制度 | 人材育成・ キャリア支援 |
全社員 |
社員登用制度(非正規従業員の正社員転換) | 多様性確保 | 非正規従業員(勤続1年以上等の応募条件あり) |
障がい者雇用の促進 | 多様性確保 | 障がい者 |
女性活躍推進に関する意識調査 | 多様性確保 | 女性従業員 |
女性向け公開講座・子育て交流会の開催 | 多様性確保 | 女性従業員(希望する男性も可) |
男性の育休取得に関する研修・管理職向け育休研修 | 多様性確保 | 管理職、全社員 |
人材育成及び多様性の確保に関する指標・目標及び実績
当社及び当社グループにおける人材育成及び多様性の確保に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績は、以下のとおりとなります。
なお、連結グループに属する全ての会社による集計が困難又は妥当ではない指標については、一部の会社を集計の対象から除外しております。
当事業年度においては、当社グループ各社において人材育成を強化した結果、教育訓練投資額や研修参加率に進捗が見られました。また女性管理職比率についても、過去から継続して実施している女性向け公開講座などにより管理職を目指す女性従業員が増えた結果、一定の進捗が見られました。
指標 | カテゴリー | 対象範囲 (注1) |
目標(注2) (いつまでに) |
2024年3月期実績 |
---|---|---|---|---|
前事業年度比較 | ||||
教育訓練投資額 (1人あたり教育投資額)(注3) |
人材育成 ・キャリア支援 |
A | 40,000,000円 | 40,069,254円 (17,497円) |
(2026年3月) | +19,843,741円 (+8,734円) |
|||
研修参加率 | 人材育成 ・キャリア支援 |
A | 50% | 40.4% |
(2026年3月) | +8.9% | |||
幹部研修派遣率(注4) | 人材育成 ・キャリア支援 |
A | - | 37.9% |
-% | ||||
女性管理職比率(注5) | 多様性確保 | A | 15% | 14.2% |
(2026年3月) | +0.6% | |||
中途採用者管理職比率 | 多様性確保 | A | - | 84.3% |
-3.4% | ||||
外国人管理職比率 | 多様性確保 | B | 1% | 0.6% |
(2026年3月) | 0% | |||
女性労働者比率 | 多様性確保 | A | 35% | 29.9% |
(2026年3月) | -1.4% | |||
中途採用人数(正規雇用) | 多様性確保 | A | - | 137人 |
-1人 | ||||
社員登用数 | 多様性確保 | A | - | 286人 |
+221人 | ||||
障がい者雇用率 | 多様性確保 | C | 2.7% | 2.318% |
(2027年3月) | +0.233% |
-
1.集計対象となる会社の範囲については、以下のとおりとなります。
A・・・当社及び連結対象子会社
B・・・当社及び国内の連結対象子会社
C・・・当社及び国内連結対象子会社(障害者雇用状況報告書の提出義務が無い会社を除く) - 2.目標を設定していない指標については、目標欄を「-」と表示しております。
- 3.定額制の集合・オンライン研修を利用することで、コストを抑えるとともに、幅広い階層・職種に対応した研修テーマから個人のニーズに合った研修を選択して受講できるようにしております。
- 4.集計方法を変更したことから、前事業年度との比較を記載しておりません。
- 5.連結グループに属する全ての会社を集計の対象としており、「第1 企業の概況 5 従業員の状況 (4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異」とは、集計の対象となる会社が異なります。
社内環境整備方針
女性管理職比率についても、過去から継続して実施している女性向け公開講座などにより管理職を目指す女性従業員が増えた結果、一定の進捗が見られました。
当社グループで働く従業員に対し、質の高い人事サービスを提供し、従業員が働きやすい環境を整備することで、経営、人事、事業部門、従業員との距離を縮め、相互の信頼関係を醸成しております。
また、多様な人材にとって働きやすい環境を整備し、成長に必要となる人材の確保及び定着(リテンション)並びに従業員のエンゲージメントやWell-beingの向上につなげてまいります。
当社及び当社グループにおける社内環境整備のための具体的な制度及び取り組みは、以下のとおりとなります。
なお、会社の規模、事業・業務の内容、人材育成上の課題認識等が異なることから、全ての会社で行われているものではありません。
主な制度・取り組み内容 | 目的 |
---|---|
在宅勤務制度 | ワークライフバランス、 多様な働き方を支える制度 |
フレックスタイム制度・短時間勤務制度 | ワークライフバランス、 多様な働き方を支える制度 |
週休3日制度 | ワークライフバランス、 多様な働き方を支える制度 |
コンプライアンスハンドブック(「企業行動憲章」)の制定と周知 | コンプライアンス、働きやすい職場環境の確保 |
コンプライアンスホットラインの整備と周知 | コンプライアンス、働きやすい職場環境の確保 |
コンプライアンス研修の定期開催・アーカイブ配信 | コンプライアンス、働きやすい職場環境の確保 |
ハラスメント研修の定期開催・アーカイブ配信 | コンプライアンス、働きやすい職場環境の確保 |
ハラスメントアンケートの実施 | コンプライアンス、働きやすい職場環境の確保 |
定期健診(任意検査項目の追加) | 健康経営(従業員の活力向上、業務効率向上) |
ストレスチェック受験率向上 | 健康経営(従業員の活力向上、業務効率向上) |
職場のホットテレホン(悩み相談による心の健康回復) | 健康経営(従業員の活力向上、業務効率向上) |
フィナンシャル・ウエルネス研修(経済的安定を支援) | 健康経営(従業員の活力向上、業務効率向上) |
環境整備に関する指標・目標及び実績
当社及び当社グループにおける環境整備に関する指標の内容並びに当該指標を用いた目標及び実績は、以下のとおりとなります。
なお、連結グループに属する全ての会社による集計が困難又は妥当ではない指標については、一部の会社を集計の対象から除外させていただいております。
当事業年度においては、当社グループ各社において、働きやすい職場環境の確保に向けた取り組みが見られた一方、労働市場の流動化と転職市場の活発化の影響により定着率が前事業年度に比べ悪化しました。
また、内部監査部門による職場環境の整備状況の確認と指導を強化した結果、労災発生件数が前事業年度から12件減少しております。
引き続き従業員が働きやすい環境の整備を進め、人材確保及び定着並びに従業員のエンゲージメントやWell-beingの向上につなげてまいります。
指標 | カテゴリー | 対象範囲 (注1) |
目標(注2) (いつまでに) |
2024年3月期実績 |
---|---|---|---|---|
前事業年度比較 | ||||
平均継続勤務年数の男女差 (女性/男性×100) |
ワークライフバランス | A | 80%以上 | 84.1% |
- | -2.0% | |||
定着率 | ワークライフバランス | A | 90%以上 | 82.4% |
- | -6.2% | |||
1か月あたりの平均残業時間 (正社員) |
ワークライフバランス | A | 10時間以内 | 7.5時間 |
- | -2.6時間 | |||
有給休暇取得率 | ワークライフバランス | A | - | 74.4% |
-2.5% | ||||
ハラスメントの発生件数 | コンプライアンス ・職場環境の整備 |
A | 0件 | 1件 |
- | -2件 | |||
労災発生件数(うち死亡者数) | 職場環境の整備 | B | 10件以内 | 9件(0件) |
- | -12件(0件) | |||
喫煙率(注3) | 健康経営 | B | 15% | 19.3% |
(2028年3月) | +0.2% |
-
1.集計対象となる会社の範囲については、以下のとおりとなります。
A・・・当社及び連結対象子会社
B・・・当社及び国内の連結対象子会社 - 2.目標を設定していない指標については、目標欄を「-」と表示しております。
- 3.喫煙習慣に関するアンケートに回答のあったものを集計した実績となります。